性能の検証・・・1台をサンプルに検証してみました。
高周波帯では、わずかな容量差が問題になることがあります。
LC200Aは微少容量の測定に役立ちます。
備考:
LC200Aは、コイルまたはコンデンサの容量値により測定周波数が変化します。
※容量が小さくなれば測定周波数は高くなり、容量が大きくなると測定周波数は低くなります。
検証の考え方:
同一の試料( コイルまたはコンデンサ )を同一の周波数で測定しなければ、検証が出来ません。
よく見かけるのは、誤差0.1%等と表示されている物と比較している検証例です。
一見良さそうな方法ですが、同一周波数での誤差が0.1%とは限りません。
LC200Aの測定周波数は固定できないので、測定周波数を任意に設定できる機種に限定されます。
当社の検証方法は、測定周波数を任意に設定できる信頼性の高いLCRメーターを使用しています。
同一の試料を同一の周波数で測定する為、ちゃんとした検証が行えます。
検証方法:
1,試料( コイルまたはコンデンサ )をLC200Aで測定
その時の測定周波数を確認する。
右上にある、Funcボタンを押すと測定周波数が表示されます。
大容量コンデンサの測定時には、表示するまで時間が掛かります。
742488Hz・・つまり、742.488kHzです。
2,同じ試料( コイルまたはコンデンサ )をAgilent E4980A 精密LCRメーターで測定する。
その際、LC200Aでの測定周波数を設定する。
3,両者の結果を比較・検討する。
試料について:
一般に市販されているコイルとコンデンサを測定しています。
コンデンサ 一般的なセラミック 1PF / 10PF / 100PF / 1000PF
コイル 一般的なインダクタ 1μH / 10μH / 100μH / 1mH
バー・アンテナ
キャパシタンスの検証
1PFを測定した場合 +5.56%
10PFを測定した場合 +1.18%
100PFを測定した場合 +0.45%
1000PFを測定した場合 +0.599%
コイル( インダクタンス )の検証
1μHを測定した場合 -17.7%
10μHを測定した場合 -2.77%
100μHを測定した場合 +0.88%
1mHを測定した場合 +0.18%
バー・アンテナを測定した場合 +0.03%
測定結果の検証・・・問題点
1PF / 10PF および 1μH / 10μHについては、誤差が大きくなっています。
小容量の測定時はリード線の間隔などで、変わってきます。
なるべくリード端を離す様に測定すると、好結果が得られます。
問題点の改善策:
1PFなど微小容量の測定は、付属しているワニ口リードのリード間隔を一定にして測定しないといけません。
測定周波数が高周波域なので、指先を近づけるだけで測定値が変わりますので注意してください。
リード間隔の問題は、バナナ・ジャックから陸軍端子に変更するのも一つの改善策です。 微小容量測定には有効な手です。
左:陸軍端子に改造したLC200A 右:LC200Aオリジナル
使用した陸軍端子( 付属しています。)
こちらでは、この改造は行っていません。 改造手順の説明も用意していません。
ケース裏のネジを取り外し、端子を交換する必要があります。 ハンダ付けは必要ありません。
改造される方の為に、陸軍端子が1組付属しています。
改造が面倒な方、改造方法が思いつかない方はオリジナルの状態で使用して下さい。
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備考:
同一試料をHi.C または Hi.Lレンジで測定した値と、L / Cレンジで測定した値が異なる事があります。
これは故障や不良ではなく、レンジにより測定周波数が異なる事で測定値が変わるからです。
今回の比較に使用したマイクロ・パワー研究所・秋葉原店で常用しているLCRメーターです。
Agilent E4980A 20Hz - 2MHz プレシジョンLCRメーター 現行製品の中で、一番測定確度が高いLCRメーターです。
LAN経由で遠隔操作も出来ます。 測定結果は、USBメモリーに画像を保存することも出来ます。
このLCRメーターの購入をご希望の方は、アジレント・テクノロジー(株)にご注文ください。
販 売 を 終 了 し ま し た 。
2020年 7月 14 日